2016年2月22日月曜日

距離の支配:トンプソンはどうやってジョニヘンを倒したのか?


キックボクシング(ISKA, IKF)の元世界王者スティーブン・トンプソン(当時8位)が、UFC前ウェルター級王者のジョニー・ヘンドリックス相手に1RTKO勝ちを収めた。

現王者のロビー・ロウラーが2試合で10ラウンド戦った相手を、わずか1ラウンドで倒してしまったのである。これは、ジョニヘンにとってキャリア初のKO負けとなった。

2016年最大のアップセットとなったこの試合。一気にウェルター級のコンテンダーとなったスティーブン・トンプソンの技術を、FIGHTLANDが分析しています。


最初の1分を見てみよう


ヘンドリックスが連発した右フックが、フェンス際でサークルするトンプソンを捕らえると、フェンスに押し込む。

ヘンドリックスが精一杯ダウンを奪おうとするも、トンプソンは腕を伸ばしてヘンドリックスの下にならないように尻を高く保つ。トンプソンは相手を突き放すと、ケージの中央に戻る。ヘンドリックスにとっては最悪の展開となってしまった。


空手家が遠い距離をとる理由


リョート・マチダのように、トンプソンは相手との距離を遠く保っているのがわかる。これの最大の利点は、あらゆる攻撃的な動きを読みやすくさせることにある。逆に近い距離を嫌がるのは、パンチをもらわないためだ。距離とは、反応に要する時間を意味するのだ。

また遠い距離では、1歩踏み込まないと攻撃できなくなる。相手は、ステップをした上でさらにパンチを打たなければならない。2度踏み込まなければいけなくなるのだ。一方、空手家は相手の動きを見て後退することが可能となる。

空手家には2つの選択肢がある。

一つは、ディレイ・カウンター(後の先:ごのせん)。相手にパンチを打たせ、距離が不足した相手が元のポジションに戻る前にカウンターを合わせる。

もう一つは、同時カウンター(先の先:せんのせん)。相手の動きを読んで、相手より先にカウンターを当てる。

より詳しくは、動画「ザ・スリー・イニシアチブ」で。

それではトンプソンの「後の先」を見てみよう


ヘンドリックスが踏み込むも距離が足りない。トンプソンは、ほぼ真後ろに下がりカウンターを合わせているのがわかる。



続いて、「先の先」を見てみよう


ヘンドリックスがゆっくり前進を始めると、トンプソンは跳ねながら下がる。しかし、今度は下がるとすぐに踏み込み、強いパンチを放つ。



次は、「逆突き」


逆突きは、踏み出す足と突く手が逆になる突き方で、腰をひねって突く、空手の技。

ラウンドキックがくる前に当てていることが分かる。ヘンドリックスがキックを出すたびに合わせられていた。トンプソンは完全にタイミングを把握していた。


トンプソンのディフェンス技術「サークリング」を見てみよう


試合開始直後はヘンドリックスがケージのカットオフ(相手をフェンスに追い詰め、ケージを狭く使わせること)に成功するが、トンプソンはヘンドリックスの打撃を無効化させていた。

動画を見て分かるように、ヘンドリックスが、ダン・ヘンダーソンのように前手である右フックをまっすぐ伸ばしてくるのに対して、トンプソンは前足(右足)を後ろに引いて、詰められた距離でサークリングしている。そのため、必ず左にサークリングすることになっているのがわかる。

オープンガード(ケンカ四つ:左対右)101は、前足を相手の外側に置くことで、スペースを作ることを可能にさせる。トンプソンは、ヘンドリックスが前進してきても、フェンス際で自由にサークリングできるポジションを保っていた。後ろ足をヘンドリックスの前足の外に置いている。





サイドキック


距離をコントロールするという点では、経験の差は明らかだった。ヘンドリックスは距離を詰めようとしてもできない一方、トンプソンは簡単にできていた。ヘンドリックスが単調に前進してくると、距離のコントロールはさらに簡単となった。

リョート・マチダは、リーチの差を解消するために遠い距離をとることが多かったが、トンプソンの場合はウェルター級でもリーチは長い方で、瞬時に距離を詰める技術は卓越している。

トンプソンは、それほどサイドキックを出すわけではないが、これは脅威となっていた。


キックとパンチのコンビネーション


トンプソンは、アメリカ空手元スター選手、ビル・ウォーレスの理論を実践していた。様々な角度で弧を描くように出てくるラウンドキックは、器用さを必要とするが、一撃で相手を仕留める強力な武器となる。

トンプソンが使ったハイキックは、相手のガードをハイキックに対処できるポジションに構えさせ、甘くなった中央にパンチを連続して浴びせた。これは試合を通して有効に機能していた。


そしてフィニッシュへ


フィニッシュは、ヘンドリックスが無防備に突っ込んできたときにやってきた。ヘンドリックスは、前傾姿勢になり、頭が尻より前にでてくるようになると、ストレートを被弾した。フェンスに向かって後退すると、トンプソンは畳み掛けるよう攻撃をし、フィニッシュに。

トンプソンが組みの状態からブレイクするときに蹴るキックに注目してください。この試合も数回こうしたパターンがありましたが、トンプソンと対戦する相手はブレイクなどで距離を再設定するときに、ハイキックに防ぐために頭をガードしようとすると、肋骨や腹部に強烈なミドルキックが入れられるのです。


前ウェルター級王者に1RTKO勝ちしたことで、トンプソンは8位から3位に順位を上げました。

王者:ロビー・ロウラー
1位:ローリー・マクドナルド(ロウラー初の防衛戦4RTKO負け)
2位:タイロン・ウッドリー(ロウラーとATT同門)
3位:スティーブン・トンプソン
4位:カーロス・コンディット(ロウラー2度目の防衛戦1-2判定負け)
5位:ジョニー・ヘンドリックス(ロウラーに1勝1敗判定)
6位:デミアン・マイア
7位:マット・ブラウン(ロウラーに0-3判定負け)

ウェルター級の上位ランカーが、王者ロビー・ロウラーに敗れていたり、同門であったりすることを考えると、トンプソンがタイトルに挑戦する日も近そうです。


元記事:Mastery of Distance: How Stephen Thompson Took Johny Hendricks Apart | FIGHTLAND
http://fightland.vice.com/blog/mastery-of-distance-how-stephen-thompson-took-johny-hendricks-apart

私の誤訳が多いと思いますので、参考程度にしてください。


0 件のコメント:

コメントを投稿